考えてみれば…。

2017年から2019年までの全日本女子バレーボールチームのエースは不在だった。

率直に言えば押し出され式で取り敢えずという感じで固定されず、それがようやく古賀紗理那選手で収まったのは、一年遅れで実施された昨年2021年の東京オリンピック。

前年のV-leagueにて古賀選手が覚醒し、他の選手と一線を画する圧倒的な存在感を示した。
  

古賀選手を覚醒させたのは中田久美監督の功績とも言える。

それも、古賀選手をメンタル的に追い込み、常に危機感を植え付けることで才能が開花した。

ただし、東京オリンピックの時まで中田監督はエースは黒後と言い続けた。
それが計算の上で闘争心を受け付けたのであるなら大したものだが、眞鍋監督はそんな古賀選手をスンナリキャプテンへと受け入れた。


そこにはひ弱さが抜け、誰よりも率先して闘うエースの姿があったからだろう。

勿論、誰が見てもリーダーとなる機は熟した感はあったが、小幡選手を外したのは古賀選手を中心に据えると決めた以上、それ以上の存在感はいらない。

そう考えたからかもしれない。


ともあれ、はじめからエースがいるという状況は好ましい。第二期眞鍋ジャパンもエースでキャプテンは木村沙織選手だった。

が、キャプテン業が忙しくて自分の練習が十分でなかったという反省材料もあった。

だから、苦い経験もあり先輩キャプテンでエースである木村沙織さんやアントラージュfromロンドンの存在は大きいだろう。

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尊敬する選手であり、姉と妹のように仲が良く、先輩キャプテンでもあり、エースだった木村沙織さんの存在は心強いことだろう。
 

そして、キャリアも経験もある島村春世、内瀬戸真実、小島満菜美選手の三名によるアシストスリーも心強いだろう。

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特に島村選手と小島選手は同じNECのチームメイト。寄り掛かるところや困った時は大いに頼れば良い。


この古賀選手中心とバックアップ体制を早々と固めたのは、中田ジャパン時や前回、第二期真鍋ジャパンの反省を含めた早めの展開と考えられる。


中田ジャパンの時は、木村沙織選手引退の後を受けて、新しいメンバーに競争させつつ、体制固めに躍起だったが、これまで起用されなかった選手を多く起用し、初年度の手ごたえは悪くなかった。

が、その後がよく無かった。
キャプテンとセッターを早く固定したいという気持ちが裏目に出て、新キャプテンとなった岩坂名奈選手にはやや荷が重く、上手く機能しないまま東京オリンピック前にキャプテンが荒木絵里香選手に交代。遅すぎる決断だった。

セッターも毎年交代でレギュラーが固定できないまま5年が経過。最終的に滑り込みセーフで籾井あき選手をレギュラーに据えたが、これもハッキリとは決め手にならなかった。

籾井選手は世界選手権には起用したい意向のようだが、まず、その前に宮下、関、松井選手の三名と第一次、第二次ラウンドには漏れた柴田選手との間で競争となる。

あとは、実際に初戦を迎えてどうなるかだが…(続く)